何時からか、授業が終わった後、
消しゴムのかすが目につかなくなりました。
気が付いてみるとほとんどの生徒は消しゴムを使わず、
間違った解答の下に正解を書きます。
人間の知覚の中で目による情報は大変強く、
情報の80%は目からものものだとも言われています。
間違った答えを消すことは脳から間違った記憶を消し去ることです。
そもそも自分が最初に出した答えは大変強く脳に残っています。
それをそのままにして、いくら下に正解を書いても
正解の定着率は非常に小さいでしょう。
間違いを消すと先生に弔意される、と生徒たちは言います。
どうして?と訊きましたら、
「自分が何を間違えたか覚えていなければいけないから、
だって、」と言われて本当にびっくりしました。
そんな自分のマイナスをずっと覚えていたら、
どんな人間も暗い人になってしまうでしょう。
幸いにも生徒は誰もそんなことは覚えていないので元気にしていますが、
正解を覚えておく確率は相当に下がります。
「間違ったものは一刻も早く目の前から消しなさい!」
というのが私の生徒たちへの忠告です。
それにしても学校で一斉に消しゴムを使わなくする、
というのも何か怖いですし、
学校はもう少し脳の生理を知るべきだとも思います。
学校教育の不思議な論理の一つです。