● 英語の使い分けの難しさ
英語では、一つの動作を様々な単語で表すことは珍しくありません。
これは日本語でよく言われている、
漢字の表し方が異なると意味が異なるという事とは違っていて、
同じような行動であってもシチュエーションによって、
使い方が違うといったほうが近いかもしれません。
このような使い分けこそが、英語文化の特徴であり、
学習している人が初めにぶつかる壁でもあります。
実際、中学や高校で学ぶ英語では、採点自体では間違えているとされるのに、
なぜ間違えているのかが分からないままで過ぎてしまうケースも珍しくありません。
教員らもそれほど理解しているわけではないためです。
実際問題、会話ではどの単語を使ってもそれなりに通用しますので、
旅行などで少し話せる程度であればそこまで問題にはなりません。
しかし、TOEICなどを受験して、高いスコアを目指しているのであれば話は別です。
正しい文法理解と、詳細な意味の把握が必要となりますので、
英語文化の関門である使い分け方法をしっかりと習得するようにしましょう。
● 英単語、「みる」の使い分け
中でも、基本となる単語に「みる」というものがあります。
誰でも思いつくものでも、「see」「look」「watch」と三つありますが、
これらはすべて使用するシチュエーションが異なっています。
まず「look」ですが、これは視線を対象に向けることを言います。
これは、内容はともかく、
視線がどうであるかという事を重きに置いた「みる」という意味です。
そして、「watch」ですが、これは動いているものや、
その変化を見るという事を言います。
たとえばテレビであったり、スポーツ観戦などが当てはまります。
そして「see」ですが、これは視覚における認知を表していて、
その中で見えるという事を言います。
ものを見せてほしいときなどに使いますし、映画などでもこの表現となります。
なお、映画は「watch」でも良さそうな物ですが、
映画館のスクリーンという大きな画面が目に入るという事から「see」を使います。
このように「みる」という意味だけでも使い分けが生じているのです。
それ故に英語文化の中でも使い分けが間違えやすくなっているのです。