● ネイティブの英語が聞き取れない
TOEIC900点や英検1級でも、
現実にはネイティブの英語が聞き取れないと悩む人は多いようです。
それはなぜでしょうか?
真っ先に思い当たるのは、話すスピードが段違いという点でしょう。
ネイティブが実際に話すスピードは、
英検などで行われる試験のスピードよりもずっと速いもの。
特にニューヨークに住むアメリカ人の話すスピードは、全米一速いと言われています。
しかし、発音が聞き取れない理由はそれだけではありません。
単に早く聞くことができるだけでは正確に聞きとったことにはならないのです。
● 発音の崩れのルール
英語には発音の崩れのルールがあります。
よく知られているものに、「リエゾン(連結)」があります。
リエゾンとは、単語同士が繋がって1つの単語として聞こえること。
例えば、「an apple」は「アナァポー」になります。
他に、単語の最後の音が発音されなくなる「脱落」も発音崩れの一つ。
この二点についてはテキストでも説明されていることがありますが、
実際にはテキストに書かれている以上に「リエゾン」や「脱落」が見られます。
● スラングや句動詞を使って話す
ネイティブはスラングや句動詞(phrasal verb)もよく使います。
スラングは自分では使わなくても、よく使われるものくらいは覚えておくといいでしょう。
句動詞は二つの動詞や副詞が組み合わさって、一つの単語として機能する言葉のことで、
「get up(起床)」や「take off(離陸)」などが有名どころです。
● 階級による英語の違い
イギリスは今でも階級社会の文化が根強く残っています。
そして階級によっても話す英語が違ってくるのです。
上流階級(貴族など)
BBCのアナウンサーなどが使う発音
アッパーミドル(弁護士、医者、学者、官僚など)
上流階級の発音や生活様式を模倣する
中産階級(地元企業の経営者、大企業の中間管理職など)
BBC英語に少々地元のアクセントが入る
労働者階級(農業、鉱業、工場勤務者)
地元のアクセント
サッカー選手のデビット・ベッカムは労働者階級の出身ですが、
彼の英語が労働者階級の英語であることは日本人でも分かると言われています。
● 国や地域による英語の違い
アメリカの英語とイギリスの英語に発音の違いがあることは有名で、
特に「R」の発音の違いは顕著です。
それ以外にも、カナダやオーストラリアなど英語を話す国はとても多いですが、
その国独自の発音がどこかしらに出てきます。
また、同じ国でも地域によって発音は変わってきます。
例えば、イギリスのノッティンガムという地域では、
Tにアクセントがついている場合を除いて「T」の音を発音することは稀です。
一人一人の訛りの度合いもありますから、
訛りを考慮した会話を心掛けると良いでしょう。