マザーグースとは英語の伝承童謡の総称で、日本でいえば桃太郎や浦島太郎のようなものです。
親が子供に話す童話というものは、子供が理解でき、興味を抱くものでなければいけません。
子供が理解できるということは、英文章の基礎的な形式で成り立っていなければいけません。
基礎的な形式を知れば、単語を変えるだけでいろいろな表現ができます。
子供の興味を抱くには楽しくてリズム感のある唄でなければいけません。
英語文化圏の子供向け映画ではミュージカル要素が含まれるのはそのためです。
楽しくリズム感がある文章というのは、音楽を聴いているような感じを抱きます。
ダラダラとした退屈な文章では英語ではなく、日本語でも頭に入りません。
しかし、英語の知識がなくても、洋楽を聴いて歌詞を覚えるのと同じように、マザーグースの唄を聴くことで、英文章を覚えてしまいます。
英語文化圏で親が子供に教える言語教育とも言えるマザーグースの唄を覚えることは、英語教育の基礎を学ぶことなのです。
ハンプティ・ダンプティというと童話「鏡の国のアリス」に登場する擬人化したタマゴを思い浮かべる日本人は少なくありません。
実際は伝承童謡マザーグースのハンプティ・ダンプティのなぞなぞ唄から鏡の国のアリスの原作者ルイス・キャロルが引用したものです。
ハンプティ・ダンプティのなぞなぞ唄とは「ハンプティ・ダンプティが塀に座った、ハンプティ・ダンプティが落っこちた、王様の馬と家来の全部がかかっても、ハンプティを元に戻せなかった」という内容で、ハンプティ・ダンプティが何者かを当てる唄で、答えはタマゴということになります。
このように英米人の作家が童話の中にマザーグースに関係するキャラクターや話を入れても、英米人であれば容易に理解できますが、日本人には本来の意味を理解するのは難しいことです。
日本人がマザーグースを知ることは、英米人の知識と共有する部分ができることになります。
共有する知識が増えることは、英語文化を理解するのにとても役立ちます。