英語を学ぶことに興味を示している生徒ならば、英文で書かれた本に接する、あるいは朗読を聞くことにも意欲を示してくれるでしょう。
このように英語を学ぶにあたって、その英語文化をもつ国々で語り継がれた物語や小説に親しむことは、英語の上達を進めてくれるに違いありません。
英語を母国語とする人々は、日本の私たちがそうであるように昔話を伝えてきました。
やはり長年にわたり、その独自の文化を築きつつ英語を使ってきました。
したがって、今なお読み継がれている名作の中で紡ぎだされている文章は、磨かれ、含蓄のある名文となっているものが数多くあります。
つまり英語文化を体現した形が、その微妙なニュアンスとともに英文学の中に遺産として残されてきました。
ご存知のとおり、日本の子供たちには幼児から小学生、中学生とその発達の段階にふさわしい本が紹介されています。
同様に英文学についてもその内容を熟知した人の案内が欲しいものです。
その案内人に本の世界を案内してもらいましょう。
皆さんは、文化の遺産として、寺院や教会などを見学されることを通じて、その独特な文化や連綿と続いてきたしきたりを知ることができます。
同様に、文学に慣れ親しむことを通じて、その社会描写のひだの細やかさを敏感に感じ取れ、英語文化の広がりと真髄に接することができます。
文学に接することから、頭の中に世界が広がりを見せ、そのなかで生きてきた人々の息づかいまで感じられるようになるでしょう。
そうなれると、流行だけに終わらない、自分が経験したこともないような世界に触れることができるわけですから、楽しくないはずはありません。
これは英語を学ぶうえで、とても大切なことです。
英語文化を知らずして英語の理解は進みませんし、英文学の韻のもつリズムや美しさを本当に知ることはできません。
そして、いったんその興味深い世界を知ることができたら、今度は自分からワクワクする気持ちをもちつつ、そこからより深い段階の学問としての英語の道へと、進んでいくことができるようになります。