知識と知恵

2,3年前一人の浪人生が入会しました。
京大を目指していてずっと猛勉強をしてきたけれど
どうしても英語の点数が取れないということでした。
指導してみると、本当に何でもよく知っています。
問題に出る単語もほとんど知っているようでした。
文法もかなり頻度の少ないレアなものまで知っています。
それでも模試は2割くらいしか取れないとのことです。
彼は英語の知識は凄いとしか言いようがありません。
でも智恵がない。
知識は覚えるものではなく、使うものだという考えが全くないのです。
覚えたものと同じものが出ないとわからない、余り勉強し過ぎて、
多分覚え過ぎで脳はすっかり硬くなり、智恵が働かなくなってしまったのです。

記憶には二つの機能があると言います。
一つは記憶の保持であり、もう一つは検索です。
保持しているだけではせいぜいクイズ番組で役立つだけで、
実際の世の中では何の意味もありません。
知識を使う智恵をつける、或いは同じことですが、
今流に言えば、検索力を養うことが教育の目的ではないでしょうか。

テスト前になめるように覚えないと気が済まない生徒がいます。
そのほとんどはテストで最高点は取れません。
一方で適当に、8割くらいの勉強でテストに臨めば、
運が良ければ満点も取れます。
覚えただけの知識はそれだけのこと、同じものが出なければ通用しません。
8割しか、或いは5割しか知識がなければテスト本番では脳は必至で検索します。
すると不思議に正解が出るものです。
そして脳は自然に柔らかくなります。

10知ってもただそれだけなら10に過ぎません。
10知ってそれを他の知識につなげる、
他の知識に検索ができる智恵があれば、
100にも1000にもなります。

この頃学校も、親御さんも、覚えること、
を強制する傾向がとても強くなっています。
テストには8割の勉強で十分です。
智恵を働かせましょう。脳を柔らかくしましょう。

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