● 帰国子女の第二言語
帰国子女とは、親をはじめとする保護者の海外赴任などにより外国で生まれたり、
幼少期を含む数年から十数年の期間を過ごし、学齢期に帰国した人のことです。
帰国子女は第一言語である日本語に加え、過ごした国の言語である第二言語を
流暢に話せることが非常に多いです。
これは両親の母語である日本語に加え、
周囲の友人などが話す言語を吸収するからです。
幼少期は周囲の言語環境に最も影響される時期で、
その時期に聞いた言語を吸収します。
両親の母語が異なる場合は、母親が使う言語が第一言語となることが多いです。
特に発音に関しては幼少期が最も吸収力が高いと言われており、
この時期に身に付けた言語の発音は、
ネイティブスピーカーと変わらない水準になります。
英語圏で生活した人は日本に帰国後も外国生活で身に付けた英語力を大いに発揮し、
グローバルな活躍をする人が珍しくありません。
しかし、帰国後は日本語の環境に慣れすぎてしまい、
せっかく身に付けた英語力を失ってしまう人も少なくないのです。
● 帰国子女が英語力を維持するには
外国生活で英語を身に付けた帰国子女が日本に帰国して時間が経つにつれて、
英語力が低下してしまうことは少なくありません。
周囲の言語環境が日本語のみになり、おのずと英語を使わなくなってしまうためです。
特に年齢が低いうちに帰国した場合にこの傾向が見られます。
帰国子女が日本で生活していても英語力を維持するためには、
自発的な努力を必要とします。
英字新聞を読む、映画を英語音声で見るといったことが挙げられますが、
帰国子女向けの外国語教室に通うという手段があります。
これは、教室は英語を勉強することではなく、
英語力の維持向上を目的とした教室です。
授業を受けるために相応の語学力が求められ、
リーディング、ライティング、リスニング、
スピーキングという技能を駆使する授業で、
現地校に近いスタイルで英語力の維持向上に努めます。
特に、幼少期に学んだ英語は語彙をはじめとする表現力が拙いことが多いので、
大人が話す言葉を学ぶことも重要です。